大関日馬富士(26=伊勢ケ浜)が、元横綱朝青龍関の「金言」を胸に綱取りを目指す。29日、都内のホテルで岩手大4年の留学生ムンフジャラガル・バトトールさん(23)と一緒に婚約会見を開いた。兄貴分の元朝青龍関から(1)早く帰宅すること(2)飲酒は控えめにすること、とアドバイスされたことを明かした。来年5月に挙式を予定している。

 金びょうぶの前で会見した日馬富士は、家庭を持つことの自覚に目覚めていた。

 -元朝青龍関からの祝福の言葉は?

 日馬富士

 もちろん、ありました。「おめでとうございます」と。朝青龍関とは仲がいいんで、いろいろ相談したりもしています。

 -何かアドバイスは?

 「家には早く帰れ」「お酒はあんまり飲むな」と言われました。

 このコメントが、会見場の雰囲気をなごませた。そもそも、元横綱は今年の初場所中、早く帰宅せずに、酒に酔って、暴行騒動を起こした。これが、引退のきっかけになったが、日馬富士にとっては、反面教師になる。

 一方、元朝青龍関も大関の時に婚約し、横綱昇進につなげた。婚約者が、ともに海外留学経験ある令嬢という点も共通する。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「奥さんの支えがあって、本人も頑張れる。横綱目指して、お互いに協力していけばいい」と期待した。

 2人は昨年12月、モンゴルに帰国した時、母の紹介で知り合った。すぐに交際が始まり、5月の夏場所前に、日馬富士がプロポーズした。3カラットダイヤが入った婚約指輪を付けたバトトールさんは、大学が休みの時期は都内で同居中。「家に帰ってきた時は、モンゴル料理を作っています」と話すなど、モンゴルの肉うどん「ゴリルタイシュル」が得意という。

 挙式は、来年5月を予定。綱取りへ向け、日馬富士は「お互いに支え合って、これから一生懸命、頑張っていきたい」と話した。家庭を大切に夜遊びは控え、お酒はほどほどに-。尊敬する先輩の「金言」を忘れず、二人三脚で新たな人生を歩んでいく。【佐々木一郎】