62連勝中の横綱白鵬(25=宮城野)が「慣例破り」の理由を明かした。17日、横浜文化体育館での巡業で、十両の力士と申し合いを行い、21番負けなし。15日の土浦巡業も十両以下の相手をしただけだった。けいこは通常、幕内力士の最後に横綱が登場するが、あえて慣例を破ってきた。「格下とか関係なく、目いっぱい来てくれることで、自分のけいこになる」と話したが、理由は他にもあった。

 「(本場所で)当たるのが難しい力士にとっても、いい思い出になる。角界に入っている以上、『胸を合わせたことがある』と語れるしね」。横綱と当たることなく角界を去るかもしれない力士の将来まで案じていた。白鵬も十両時代、当時横綱の朝青龍にけいこで勝ち、自信になった経験も、今回の行動につながったという。「行動で見せて、ついてこいというのが、考えでもあります」とリーダーの自覚を示していた。