<大相撲九州場所>◇千秋楽◇28日◇福岡国際センター

 九州場所の3賞選考委員会が28日、福岡国際センター内の記者クラブで開かれた。殊勲賞は、2日目に横綱白鵬(25=宮城野)の連勝を「63」で止めて、10勝を挙げた東前頭1枚目稀勢の里(24=鳴戸)が、08年初場所以来となる3度目の受賞となった。

 稀勢の里は2年ぶりの殊勲賞受賞力士となったが、支度部屋では終始ぶぜんとしていた。これまで11勝5敗とお得意さまの豊ノ島(27=時津風)に、土俵際ですくわれて押し倒された。「上手が取れたのに。相手の動きがよかった。相手の力が上だったということ」と、脱帽するしかなかった。

 2日目に白鵬の連勝を止めて、歴史の人になった。2ケタで3役復帰も決めたが「最後に悪いと全部悪い。しっかり最後を締めないと。3賞?

 いただけるのはうれしいが、喜び半減」と愚痴が続いた。

 次期大関候補といわれながら伸び悩み、今場所は初場所以来の平幕に落ちていた。いつの間にかライバルだけが増え、大関への足場がなかなか作れない。「まだまだ調子に乗っていっちゃいけない」。自らも分かっている。6度目の3賞より、来年こそ目標達成なるか。正念場の11年となりそうだ。