日本相撲協会は6日、週刊新潮で報じられた「鳴戸部屋問題」について、福岡国際センターで関脇稀勢の里(25=鳴戸)から事情聴取した。これを受け、明日8日にも緊急理事会を開き、鳴戸親方(元横綱隆の里)らへの処分を検討する。

 報道では、鳴戸親方(元横綱隆の里)が角材で弟子をたたき、稀勢の里に指示して、羽交い締めにさせたとされる。聴取には放駒理事長(元大関魁傑)らが同席したが、稀勢の里は暴行補助について「やっていません」と否定した。ある親方は「大関とりの場所なのに、土俵外でいろいろあるのはかわいそうだ」と話しており、稀勢の里への処分は回避される見通しだ。

 鳴戸親方への調査は複数回行われており、記事の一部については認めているという。このため、弟子への監督責任などが問われ、何らかの処分が科される可能性がある。また、記事に名前が掲載されている幕内若の里、序二段輝の里への聴取は、今日7日以降に行い、事態の解明に努める構えだ。

 九州場所初日の13日まで、あと6日。稀勢の里は大関昇進の目安まであと11勝と迫りながら、落ち着かない日々が続く。この日も鳴戸親方は、この問題については無言を貫いた。二所ノ関広報部長(元関脇金剛)は「場所前にこの件は、けじめをつける。この問題は理事会ではかって、きっちりします」と話している。