最後まで0行進だった阪神にとって、今シーズン6度目の完封負けだった。前日22日の6-0の快勝が一転、わずか4安打で抑え込まれた。

中西 今年のつながらない打線を象徴するかのような1敗だ。6点を奪って勝った一夜明けで、その流れをもって1回のチャンスに1、2点入ってもおかしくないのにつながらない。逆に石川を乗せてしまった。

1回は熊谷、佐藤輝の連打と大山四球で満塁の好機だった。5番ロハスが捕邪飛、続く小野寺は見逃し三振だった。

中西 あそこで1点でもリードして主導権を握れば石川のペースは変わったはずだ。佐藤輝、大山には上昇の兆しを感じる。問題はその後ろを打つ5番、6番だろう。1回1死満塁からロハスが外野フライの犠飛で先取点をとれば、小野寺はもっと楽に打てた。ロハスのバッティングは寂しかった。

5回。中野が左前打で出塁も、梅野はカウント2-2からのエンドランで二遊間へゴロを転がして、併殺で逸機。また7回2死から小野寺が投安打。続く中野に左腕田口を投入され、二盗を試みた代走島田がアウトになった。

中西 5回も7回もベンチは打つべき手は打ったものの結果につながらなかった。梅野の打撃はセンターラインを外して、二塁、あるいは遊撃の方向に打つべきだった。それにヤクルトが7回に田口をつぎ込んだのは、中野の後で糸井が代打で起用されるのを見越した意図があった。その意味ではヤクルトがスキをみせなかったといえる。また初登板に続いてみたウィルカーソンは打てそうで打てない好投だった。全球種とも制球力がついて、テンポの良い投球だった。とにかく得点力を上げたい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

キャップをかぶりなおす阪神矢野監督(撮影・狩俣裕三)
キャップをかぶりなおす阪神矢野監督(撮影・狩俣裕三)