パ・リーグ3連覇を狙うオリックスだが、主砲の吉田(レッドソックス)がメジャーに移籍し、FA補強した森はケガで戦線離脱中。攻撃面では苦しい戦いになると思っていたが、今試合前までのチーム打率2割5分6厘、66本塁打はリーグトップ。好調な打線を支えているのが、今季急成長を遂げた頓宮のバッティングだろう。この日は5番起用だったが、打席内容は「主砲級の働き」だった。

初回2死一、二塁で、第1打席が回ってきた。ソフトバンク先発は有原で、フルカウントになった。ここから真ん中低めのツーシームに強引にならず、逆方向に先制タイムリー。ボール球なら見逃せるように、懐の深さを感じさせるバッティングだった。

技術の成長を見せた後は、頭の巧妙さも見せつけた。6回2死、1ボールからど真ん中のスライダーを見逃し。狙い球を絞り、真っすぐを狙っていたのだろう。1球、フォークがワンバンしてボールになった後だった。今度はピクリともしないで見逃したど真ん中のスライダーを狙い打ち。相手バッテリーの思考を読み切ったバッティングでのソロ本塁打だった。

どちらの一打も、昨年とはひと味もふた味も違う内容だった。頓宮といえば、豪快な1発をイメージするが、裏を返すとボール球にも手を出す「粗いイメージ」があった。しかし第1打席は空振りをしないように、いろいろな球種に対応できるようなスタイル。第3打席は一転して狙い球を絞り、1発を狙いにいった。持ち前の長打力に加え、技術力も上がり、状況に応じたバッティングが可能になっている。

昨年の打率2割2分6厘、11本塁打、34打点から、今季は打率3割2分4厘と大幅アップ。本塁打と打点はともに昨季と同じ数字で並んだ。まだシーズンは半分だが、今の打席内容を見る限り、大きく打率を下げる感じはない。ケガさえなければ、このまま本塁打も打点も上がっていくと思う。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対オリックス 6回表オリックス2死、頓宮は左中間に本塁打を放ちナインとハイタッチ(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対オリックス 6回表オリックス2死、頓宮は左中間に本塁打を放ちナインとハイタッチ(撮影・梅根麻紀)