プロ野球のペナントレースはオールスターブレークを終えれば、順位争いが本格化する後半戦に突入する。4年連続Bクラスの広島は新井貴浩監督(46)の下、首位阪神に1ゲーム差の2位につける。前評判が低かった中での奮闘ぶりと後半戦の展望について、日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(54)に聞いた。【取材・構成=前原淳】

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5連勝で終えた前半戦、広島はチームとしての成長が見える。交流戦明けの21試合は特にいい戦い方ができていた。中盤から終盤まで接戦に持ち込むと、打線の粘り、勝負強さで少ないチャンスを得点につなげた。4番を任された西川だけでなく、坂倉や野間という主力と期待する中堅が力を付けている。特に坂倉は今季専念する捕手でも配球面で変化が見られ、成長の跡が見える。チームとしては接戦に持ち込むだけでなく、接戦を勝ち切れていることが大きい。勝つことで選手も、チームも成長していくものだ。

そういった戦いを演出しているのは、投手陣だ。チーム防御率3・05はリーグ3位も、先発、中継ぎのバランスがいい。まずは先発が安定して試合をつくっていることで接戦に持ち込めている。大量失点した試合は数えるほどしかない安定ぶりは特筆すべきことだろう。逆転勝ちが増えているのは、勝ちパターンを固定した中継ぎ陣の踏ん張りが大きい。3連覇時に「逆転の広島」と呼ばれた当時も中継ぎ陣が踏ん張ってくれたことで、最後まで勝機を見いだすことができた。逆転勝利は打線に注目が集まるが、支えているのは投手陣。今季の広島も投手陣の踏ん張りで最後まで望みをつなぐ戦いができている。

後半戦も前半戦のような戦いを継続することを期待したいが、そう簡単ではない。長いペナントレースを折り返し、暑い日が続く夏場は投手が消耗する時期。勝敗の鍵を握るのは打線だ。前半戦のように守り勝つ戦いばかりではなく、大量得点を奪うような展開も増やしていきたい。前半戦の誤算のひとつだった外国人選手がいかに打線に加わるか。長打力があり、打線に厚みを加える存在だけに、彼らの出来がひとつのポイントとなるだろう。【日刊スポーツ評論家】