前日7日もオリックス投手陣に完封され、これで2試合連続で無得点に終わった。

ここに来て巨人打線はかなり調子を落としている。打線には波があり、どんなに強力打線でも長いシーズンでは必ず試練が来る。

この試合、やはり私は4番岡本和真の打席に注目した。打線が湿りがちな時こそ、4番の打力が求められるからだ。苦しい時こその4番と言われるゆえんだが、打席の中で狙い球がしっかり整理できているのかと、疑問符がついた。

2回の第1打席は2年目斎藤の内角高めを振って空振り三振。6回の第3打席はボール気味の変化球を連続して振りにいって空振り三振。どれも、頭の中で狙い球が整理しきれていない印象を受けた。

今のスイングを見ていると、来たボールを振っているように映る。言うまでもなく、相手投手の特長を頭に入れ、状況を判断した上で、1球ごとに頭の中を整理する。それで、狙った球ならば強く振る、違えばカットする、逆方向に軽打する、状況に応じたバッティングが大切になる。

岡本和も分かっているはずだ。だが、打線が不調になるとどうしても4番が何とかしなければと、焦りが出てそれが頭の切り替えを鈍らせる。気づけば、来た球に合わせてしまい、少しずつ本来のバッティングから離れていく。

今の自分はどういう準備をして打席に入っているかと、自分を客観視して、基本に立ち返るべきだ。少なくとも見ている側からすると、狙ったボールに絞ったバッティングをしているようには見えない。

こうした不調のきっかけは得てして大勝した試合にあることが多い。4日ロッテ戦で18得点している。私も打撃コーチ時代には、そういう大勝した時こそ不安になった。打線はおもしろいようにつながり、満ち足りた気持ちになりかけるが、いざ次の日のことが頭をよぎると、喜びは消えてしまった。

打った時こそ、不安を忘れない。しっかり頭の中を整理して、あるべき準備をして打席に入る。その大切さをいつも心にとどめていた。それでも、一見すると大勝によって心に緩みが出たような貧打に陥ることがある。

1日で打線は大きく変わる。今は、1球ごとにしっかり狙い球を切り替えてバットを構える、そうした根本的なところから心身を整えてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対オリックス 6回裏巨人1死一塁、岡本和は空振り三振に倒れ、悔しそうに引き揚げる(撮影・浅見桂子)
巨人対オリックス 6回裏巨人1死一塁、岡本和は空振り三振に倒れ、悔しそうに引き揚げる(撮影・浅見桂子)
巨人対オリックス 6回裏巨人1死一塁、空振り三振に倒れベンチへ戻る岡本和(右)とベンチで腕を組む阿部監督(撮影・鈴木みどり)
巨人対オリックス 6回裏巨人1死一塁、空振り三振に倒れベンチへ戻る岡本和(右)とベンチで腕を組む阿部監督(撮影・鈴木みどり)