広島キラーの阪神大竹耕太郎投手(29)が、マツダスタジアムで23年5月5日から無傷の8連勝となった。

これで対戦成績は通算11勝1敗、防御率1・25。元阪神投手コーチで日刊スポーツ評論家の中西清起氏(63)は気持ち的な余裕が好循環を生んでいると解説した。開幕から50試合を終えた藤川球児監督(44)の用兵にも注目した。

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なんと言っても大竹でしょう。広島打線を見下ろして投げている。緩急というのがすばらしい。広島打線に苦手意識というのはあるだろうけど、まったく球種を絞り切れていない。真っすぐ待っていてチェンジアップを引っかけるという凡打の仕方がまったく変わっていない。

そんなに真っすぐが速いわけではない。広島側から見ると、チェンジアップにてこずっていて、インサイドの真っすぐも差し込まれて詰まっている打球も多い。(上体が)前に出される、詰まるという感じになっている。泳ぐことを怖がらない方がいい。打者は詰まることが一番嫌だと思うけど、それだったら前に出てと切り替えないと。チームとして徹底できてない。ここまでやられっぱなしだと、どう対策しているの? となってしまう。

そういう意味では上から目線の大竹は、気持ち的な余裕ができる。遅球も思い切って使えるし、相性の良さが存分に出たゲームになった。これから交流戦があるが、交流戦明けも広島戦の登板を想定したローテーションを組んでいける。当然、大竹は広島戦を中心に回していくことになると思う。

藤川監督の用兵にも注目したい。開幕から5月半ば頃まではシーズン終盤にどの選手を使えるのか、見極めていたように思う。50試合を過ぎたことで選手個々の起用も落ち着いてきた。適材適所の用兵になっているんじゃないか。今日の試合に関しては試合終盤に三塁に熊谷を入れた。8回のゴロ2つはそう簡単な当たりではなかった。ヘルナンデスなら抜けていたかもしれない。

ブルペンに目を移すと、8回1死二塁の場面で100球に到達してない大竹をスパッと代えて湯浅を投入した。当然、(左打ちの)野間が代打で出てくることも計算尽くでの投手交代。そして9回は石井がマウンドに上がった。今日は最初から守護神岩崎は積極的休養というのは決まっていたと思う。チームとしても投手起用に共通認識ができている。

ピッチャー陣が安定していることは大きな強みになる。今日は5回、9回とワンチャンスで奪った2点を守り切った。4安打で勝てるというのは大きい。そういうゲームを拾っていけるのは投手陣がしっかりしているからこそだろう。(日刊スポーツ評論家)

試合終了後、大竹と握手する藤川監督
試合終了後、大竹と握手する藤川監督