楽天元監督の平石洋介氏(45)が、日本ハム-楽天23回戦(エスコンフィールド)を評論した。
◇ ◇ ◇
楽天にとって非常に大きな1勝だ。苦手な日本ハム相手にカード勝ち越し。3位オリックスとのゲーム差はまだ開いているが、逆転CSに望みをつないだ。立役者は、まず決勝ソロの中島。11回1死、1ストライクから浮いたフォークを逃さなかった。そして、0でつないだ投手陣の力が大きかった。先発内を皮切りに、よく投げた。
三木監督は継投だけでなく、野手も早め早めの交代だった。5回無死でフランコ、7回1死ではボイトが出塁すると、代走を送り1点を奪いにいった。どちらも得点にはつながらなかったが、試合中盤から大砲を下げる勝負手だった。それぞれの場面で感じたことを書きたい。
まず5回無死で、フランコの代走は小森。逆を突かれ、けん制死した。エンドランや盗塁のサインが出ていたかは分からないが、痛いミスだった。もっとも、まだまだ経験を積む段階の選手。私は小森を責める気にはなれなかった。勝負の局面で代走に出るのは、ある意味、スタメンよりも難しい。これまでは小郷が担っていた役割だが、その小郷に代わり再昇格したばかり。ベンチも当然、小森の経験値は分かっている。信頼を得るには、こういうところで仕事を果たさないといけない。苦い経験にひるまず、これからも思い切ってプレーして欲しい。
7回はボイトに代走・小深田。この判断も非常に難しい。既に7回とはいえ、1死だった。しかも、ボイトは前日に本塁打を含む3安打と大当たりしている。それでも代えたのは、5回の代走にも言えることだが、この試合は「1点勝負」と読んだからだろう。結果的に「1-0」で勝ったことを考えれば、ベンチの読みは当たったとは言える。
話を7回に戻すと、代走から1死一、三塁とし、勝負手が実りかけた。ここで渡辺佳がスクイズを仕掛けた。スクイズの判断は、あり。渡辺佳は直球よりも、変化球に当てるのがうまい。よりバントしやすい直球を投げてくるという読みもあったのではないか。あとは、どのカウントで仕掛けるかの心理戦。結果、1ストライクからバッテリーに外され、好機をつぶした。選手は責められない。読み合いはベンチの責任だ。
大砲を早めに下げる手は外れた。賛否は当然ある。しかし、これに正解はないと思う。一つ言えるのは、監督は自らの進退をかけて采配を振る立場だということ。三木監督も結果と責任を背負い込む覚悟で選んだのだから、軽々しく周りが論じることはできない。
ただ、それでも疑問が残った点があった。1点勝ち越した11回裏、則本を送った。1死三塁となり、宋家豪に代えて逃げ切った。これが同点だったなら、分からないでもない。しかし、リードしていた。そこでピンチを迎え、宋に代えるということは、現時点では宋の方が信頼が高いということ。それなら、回の始めから宋に任せて良かったのではないか。決して則本を出すのが悪いということではない。
いずれにせよ、楽天には大きな1勝。次につなげて欲しい。(日刊スポーツ評論家)




