阪神がまざまざと強さを見せつけた。これで今シーズンの対中日は10勝10敗のタイ。だがこの3連戦をネット裏から見る限り、両チームの力の差はありありとしていた。

阪神は3試合とも先手を打った。1回2死から中日先発・涌井から森下が死球を受けた。ピッチャーとすれば申し訳ないと思ってスッと入った1球を、4番佐藤輝はとらえた。

1回2死一塁。2-2からの低めのカットボールを右翼ポール際にライナーで運んだ36号2ランは、バットの芯だったらドライブがかかって切れただろうが、やや詰まっていたのかもしれない。

森下、佐藤輝が目立った3試合だが、大山のパフォーマンスは貴重だった。この中日3連戦はノーヒットに終わっている。だがカード初戦(2日)、4点リードの7回1死一、三塁から中犠飛で加点したのは大きかった。

3戦目になったこの日の4回。森下、佐藤輝の連打で無死一、二塁、大山はセンターフライで一、三塁の場面を作った。6番熊谷の野選を誘う二ゴロで得点。7回には右犠飛で7点目を奪っている。

大山自身はシーズン8本塁打と少ないが、彼の打席をみていると、ホームランより打点に重点を置いているのだろう。「5番」の仕事に徹しているのが伝わってくる。

ホームラン、クリーンヒットといった派手さはなかったが、意味のある“理詰め”のようなバッティングができる5番打者の働きは見逃せない。

(日刊スポーツ評論家)