WBC1次ラウンドを、4戦全勝のC組1位で通過した侍ジャパン。同ラウンドの戦いぶりを踏まえて、15日に行われる準々決勝以降のポイントを日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(49)が分析した。

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1次ラウンドは苦戦した。C組の対戦国への敬意を踏まえた上で、率直に4戦の本質を指摘するなら、準々決勝以降に向けた準備段階と言える。その観点から、苦戦だった。

前回大会の1次ラウンドは4試合ともに大勝。今回は台湾戦を除く3試合が思う展開にならなかった。韓国、オーストラリア相手には、危ない場面もあった。

その中で打者の好不調を井端監督が判断して行くのだが、その岐路となったのがチェコ戦だったように思う。スタメンから近藤が外れた。そして佐藤が出て好調を維持するように第1打席で二塁打を放った。強化試合から調子がいい。近藤がベンチに下がった試合でも結果を出した。準々決勝での井端監督の決断が、より注目される。

WBCは結果だけが求められる。2000年以降、プロが参加するようになった五輪、そしてWBCすべての大会で、ベスト4を逃したことは1度もない。つまりドミニカ共和国か、ベネズエラと対戦する準々決勝は、なかなかの重圧がかかるが、そもそも目指すは連覇。このシナリオは戦前から分かっていた。

負ければ終わりの試合で、打線をどう組むのか、興味はそこにある。ヒットがない近藤をチェコ戦で休ませたことがポイントになる。チェコ戦に大谷、鈴木をスタメン起用し、途中から休ませていれば、近藤の不在は幾分目立たなくなっただろう。だが、その2人が欠場した上に、同じ外野で好調の佐藤が結果を出した。

ここは井端監督は悩むところだ。近藤を使うのも正義、佐藤を使うのも正義。仮に、準々決勝で近藤を使い、近藤が打たずに敗退した時、チェコ戦での起用法が頭をよぎるのは私だけではないだろう。打席で回復への兆しをつかませるやり方もあった。

勝つことでしか答えを出せないWBCの恐ろしさである。私はチェコ戦のオーダーを見て、準々決勝では近藤を使わないとベンチが判断したかな、と感じた。これは私の感覚、予想。当日のオーダーを待つしかない。

近藤がより際だっているが、牧も同様だ。チェコ戦では打った村上、それに岡本も、他の打者が打っているだけに、どこかにまだ一抹の不安は残す。しかし、その中でチャンピオンとして強豪国の挑戦を受ける、それが今の日本の立ち位置だ。

もう、米国に乗り込んで米国を倒す、ドミニカ共和国を倒すんだ、と挑む時代は終わった。周囲が日本を倒しに来る。その中で、難しい判断を求められる。ここから、肌がヒリヒリするほどの緊張感の中、残り3試合を勝ち抜く、まさに本番が始まる。

10日、日本対チェコ 試合前、大谷のバットで打撃練習する近藤(撮影・江口和貴)
10日、日本対チェコ 試合前、大谷のバットで打撃練習する近藤(撮影・江口和貴)
【イラスト】WBC決勝トーナメント
【イラスト】WBC決勝トーナメント
【イラスト】日本代表のWBC成績
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【イラスト】WBC1次ラウンドC組勝敗表
【イラスト】WBC1次ラウンドC組勝敗表