30日のプロ野球開幕を前に、野球人生をリスタートした選手がいる。華やかな1軍舞台ではない阪神2軍の鳴尾浜。29日の近大との練習試合(鳴尾浜)で3年目望月が復帰登板した。4回の1イニングを任され、154キロの直球を主体に3者連続三振に。「手術が終わって試合に投げられた。腰に関しては痛みもないので、1歩進めたうれしさがある」。昨年12月に腰部ヘルニアを手術。長いリハビリにを経て迎えたこの日の喜びを、じっくりかみしめた。

 矢野2軍監督は「万全になって長いイニングが投げられれば、上のローテーションにも間違いなく入っていく」と絶賛。「スケールも大きいし、考えてアウトが取れる。テーマを持ってマウンドに上がれている」とクレバーさも評価した。

 次回登板は患部の状態も見ながら、ウエスタン・リーグで2イニング程度を予定。望月も「イニングを重ねるには変化球も必要になる。もっと練習していきます」と充実の表情で言った。金本阪神に漂う秘密兵器誕生の予感。望月ら1軍を目指して奮闘する若虎の姿を、今年もしっかり追いかけていきたい。【阪神担当=真柴健】