<日本生命セ・パ交流戦:巨人3-6ソフトバンク>◇1日◇東京ドーム

伝統ある球団なのだ、と再認識させられた記念の1勝だった。ホークスがパ・リーグ初の通算5500勝を挙げた。1938年(昭13)の球団創設から85年目。区切りの白星が通算6158勝を挙げている巨人からというのも、何とも歴史的ではないか。

敵地・東京ドームでメモリアル勝利を見届けた王球団会長は報道陣に囲まれ、言葉も弾んだ。

「すごいね。5500勝だったら(球団創立から)何十年? 巨人軍は一番最初にプロ野球になっているからね。まあ、でもパ・リーグでは一番だし、この一番をどんどん積み重ねてね。いずれはジャイアンツを抜けるように頑張りましょう」。左拳を握ってガッツポーズを作った。

ホークス初勝利は38年9月6日の金鯱戦(後楽園)。プロ野球創世期の1リーグ時代で、この年のホークスは5試合あった巨人戦に1度も勝てなかった。セ・パに分かれて2リーグ制となった50年には500勝を達成。巨人とのシーズン対決は長らくなかっただけに、数少ない交流戦で巨人から挙げた節目の勝利はホークスの先人たちも、さぞかし気分がいいのではないだろうか。

ホークス対巨人と言えば、19、20年の日本シリーズが記憶に新しい。ともに4連勝でホークスがスイープ。圧倒的な強さを見せつけ日本一に輝いた。とはいえ、過去12回の対決がある巨人とのシリーズでホークスが頂点に立ったのは、エース杉浦を擁して4連勝した59年を含め3度しかない。列島が「ON対決」に沸いた00年は王ダイエーも長嶋巨人に2勝4敗で涙をのんだ。打倒巨人! 今や「ホークスの人」となった王球団会長の言葉に後押しされて、球界の勢力図を大きく塗り替えてもらいたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

99年のソフトバンク日本一を報じる日刊スポーツ紙面
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