去る者あれば、来る者あり-。プロ野球界の常ではあるが、日本ハムではシーズン終了から約1カ月で、チームの陣容が目まぐるしく変わった。11月7日から沖縄・国頭で始まった秋季キャンプには、新たに加わったフレッシュな面々が4人参加。第1クールが終了し、新しいユニホーム姿も様になって来た。

日本ハム秋季キャンプ 土まみれになりながら内野ノックを受ける山田遥楓内野手(2022年11月8日)
日本ハム秋季キャンプ 土まみれになりながら内野ノックを受ける山田遥楓内野手(2022年11月8日)

現役を引退した球界きっての元気印、杉谷拳士氏(31)の穴を埋めるかのように、元気いっぱい、すっかりチームに溶け込んでいるのが、西武からトレード移籍した山田遥楓内野手(26)だ。内野ノックでは、ユニホームを真っ黒に汚しながらも「武器」の大声は止まらない。「誰だよ!こんな選手、取ってきたの!」と、ノッカーの山田勝彦バッテリーコーチ(53)にやじられても、決してめげない。疲労困憊(こんぱい)、ボールを追う元気がなくなり倒れ込んでいた他の選手も、たちまち笑顔にしてしまう。なかなか、得難い人材だ。

山田は「声を出すことによって周りも盛り上がってきますし、後輩たちとも声の掛け合いが出来る。積極的に話し掛けていっているので、ウザがられないように、ちょっと線引きしてやってます」と、まだセーブしているようだが、一緒にノックを受けた同学年の上川畑大悟内野手(25)は「合流してまだ間もないのに誰よりも声を出して、チームを鼓舞してくれている。きつい練習なので、どうしても気持ちが沈んじゃう部分もあるんですけど、そういう時に、あいつがしっかり声を出してくれて、気持ちが切れないようにしてくれる」と、感謝しきりだ。

日本ハム秋季キャンプ 内野ノックの後、疲れ果てて座り込む。左から古川裕大捕手、山田遥楓内野手、上川畑大悟内野手(2022年11月8日)
日本ハム秋季キャンプ 内野ノックの後、疲れ果てて座り込む。左から古川裕大捕手、山田遥楓内野手、上川畑大悟内野手(2022年11月8日)

声がかれないのが、不思議だった。しかし、当の山田は「いや、かれますよ」とケロリ。「小さい声で話すと(声が)出なくて。食事会場で隣の人にしゃべったりすると、声がカスカスになって会話が出来ない」。だから、逆に声を張る-そういう理屈らしい。「喉のケアが大事です。グローブよりも。喉アメ下さい。『喉アメ、待ってます』と書いておいて下さい」。きちんと書いておきましたよ。【日本ハム担当=中島宙恵】

入団会見に臨んだ日本ハム山田遥楓内野手(左)と同席した新庄剛志監督(2022年11月3日)
入団会見に臨んだ日本ハム山田遥楓内野手(左)と同席した新庄剛志監督(2022年11月3日)