ロッテの新外国人マイク・ブロッソー内野手(29=前ブルワーズ)にとって、来日初の遠征となった。6日開幕の「七夕まつり」に向けてにぎわう宮城・仙台へ。満員でギュウギュウな新幹線に揺られて仙台駅に降り立った。

午後6時開始の楽天戦。ZOZOマリン以外の球場でのプレーは初めてだ。楽天モバイルパークのグラウンドを見渡すと、大きな観覧車も目に入った。雰囲気がメジャー時代にプレー経験のあるボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークに似ていると感じた。

試合の他にも楽しみにしていたこともあった。今月1日の会見で“予告”した“日本の味”。「楽しみなのは牛タン。週末仙台(楽天戦)があるので。これから勉強して、いろんなお肉の部位を食べていきたい」。試合では3回に楽天岸のスライダーを捉え中前安打を放つと、6回にも外角のカーブをうまくさばき左前安打。タン打、タン打で、来日初のマルチ安打。首脳陣もファンの心もギュウっとつかんだ。

試合後、バスへと向かうブロッソーに聞いた。「牛タンは?」。舌は見せずも、白い歯を輝かせ、笑った。「すでに2、3回、食べさせてもらったんですけれど」。すでに遠征前に勉強、予習済みだった。「試合前に光山(英和1、2軍統括)コーチから(牛タンの)お弁当をいただいて、とてもおいしかったです」。球場内の食事会場に用意されていた仙台牛タン弁当がパワーの源になったことは間違いない。

「MLB最速チャプマンからホームランを打った男」「メジャー通算26本塁打」「投手経験もあるユーティリティープレーヤー」。首脳陣も仲間の選手もファンにも期待が高いだけに、正直、まだまだこんな“味わい”では困ってしまう。それは本人も自覚していた。「やっぱりいろいろなピッチャーと全部初めての対戦ですし、クイックとかも投げ方が全部違うので、なかなか時間がかかるかなと思っていたのですけれど、今日は初めてヒットが2本出て感じが良かったので」。歯応え…ではなく手応えも感じつつあった。

「これからも皆さんにアドバイスをいただきながら、ちょっとずつ慣れていって、結果を残してチームの勝利に貢献していきたいと思っています」。すしも好物だが、今月は北海道、仙台、大阪と遠征は続く。野球選手にとっては遠征先の地産食は楽しみの1つであり、野球にも通じる。すし、牛タンの次は、どんなパワー食が待っているのか-。

七夕まつりの仙台で願います。

「ブロッソー選手が、食って、打って、勝って、3拍子そろった選手でありますように-」。【ロッテ担当 鎌田直秀】