<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク0-0巨人>◇12日◇みずほペイペイドーム

いろんな思いを胸に秘めながら戦況を見守ったことだろう。古巣巨人との交流戦3戦目。ソフトバンク王会長にとっては5月28日の日本ハム戦以来、12試合ぶりのゲーム観戦だった。白熱の投手戦。攻撃野球が代名詞の王会長にとってはジリジリする試合展開だったろう。スカッと勝利を手にしてナインと笑顔のハイタッチを交わしたかったところだろうが、終わってみれば延長12回0-0のドロー。

「両方とも(先発)ピッチャーがよかったね。大関もよかったけど向こうの投手(山崎)もよかったね」。延長12回裏には2死一、二塁まで攻めたが、最後は巨人守護神のマルティネスの前に嶺井が空振り三振。「まあ、こんなに緊迫した試合になるとは思わなかったよ。両軍とも死力を尽くしてというところだったね」と悔しさを見せず王会長は苦笑いで両軍の奮闘をたたえた。

東京に戻っていた3日、訃報が届いた。巨人時代の盟友でもあり、プロ野球人として最も尊敬するミスターこと長嶋茂雄氏が亡くなった。「ON」として巨人を、そしてプロ野球界をけん引してきただけに、王会長にとっても受け入れたくない悲報だった。誰よりも早く都内の長嶋邸に弔問に訪れ、8日には告別式で弔辞を読んだ。「長嶋さんは僕にとって特別な存在。2人にだけしか分からないものがあるからね」。巨人の王からホークスの王となっても、いつも長嶋さんを気遣った。

試合前。一塁ベンチの隅に座ってホークスの練習を見守った。福岡に戻ったのは前日(11日)の夜。悲しく慌ただしかった東京での日々。「(長嶋氏の逝去は)日本の一大事だからね。きちんとお見送りをしなくちゃね」。まだまだ心の整理はできていないのだろう。王会長は人前で弱みを見せる男ではない。「明日からは横浜(DeNA)か。頑張りましょう」。ガッツポーズを作ってドーム球場を後にした。古巣巨人とは1勝1敗1分けの痛み分け。勝てなかったが、交流戦は単独首位。王さんに笑顔の白星を届けたいものだ。【ソフトバンク担当=佐竹英治】

ソフトバンク対巨人 試合前、王球団会長(左)にあいさつする中畑清氏(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対巨人 試合前、王球団会長(左)にあいさつする中畑清氏(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対巨人 試合前、ソフトバンク王球団会長(左)と話す中畑清氏(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対巨人 試合前、ソフトバンク王球団会長(左)と話す中畑清氏(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対巨人 試合前、ソフトバンク王球団会長(左)と談笑する中畑清氏(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対巨人 試合前、ソフトバンク王球団会長(左)と談笑する中畑清氏(撮影・岩下翔太)