今季も前半戦を終え、「投高打低」のシーズンとなっている。昨季は3割打者が両リーグ6人(セ4人、パ2人)で、2リーグ制後では58年(セ2人、パ4人)と並んで最少。今季ここまではそれらを下回る4人しかいない。そんな中、3割を狙える存在に浮上してきたのが、巨人の秋広優人(20)だ。現在、規定打席に8打席足りないが、231打数69安打で、打率2割9分9厘。今月中にも規定打席に届きそうで、高卒3年目の前半戦を上々の数字で折り返している。

【表1】今季の打率ランキング
【表1】今季の打率ランキング
【表2】通算0安打からシーズン100安打以上打った選手
【表2】通算0安打からシーズン100安打以上打った選手

秋広はプロ1年目に代打で1試合、2年目は1軍出場0で、今年の開幕時点では通算0安打。入団1年目の選手を除き、通算0安打からいきなり60安打以上打ったのは、岸(西武)が2年目の21年に67安打して以来で、シーズン100安打したのは過去8人。秋広のように1軍に出て無安打だったシーズンを経て記録したのは、50年関口(西日本)09年松本(巨人)16年北條(阪神)の3人。秋広も100安打すれば4人目の珍しい記録だ。

【表3】高卒3年目以内に打率3割を記録した選手
【表3】高卒3年目以内に打率3割を記録した選手

100安打とともに目指したいのが打率3割。高卒3年目までに打率3割をマークしたのは、2リーグ制後過去10人(11度)。巨人では09年坂本、主に外野を守る選手では94年イチロー(オリックス)以来になる。過去の選手は新人の86年清原(西武)を除き、それまでに1軍でヒットを記録していた選手。2年目まで通算0安打の選手が3年目に3割を打てば、高卒に限らず球界初めてになる。

【表4】今季セ・リーグの主な新人王候補
【表4】今季セ・リーグの主な新人王候補

100安打、打率3割をクリアできれば、新人王の可能性も見えてくる。ライバルとなりそうなのは投手の村上(阪神)だが、村上は5月までに5勝を挙げてから、6月以降は1勝と勝ち星が伸び悩んでいる。投高打低のシーズンでの3割なら、例年よりも価値のある数字といえるだろう。後半戦も調子を維持して新人王に手が届くか、注目したい。【多田周平】