中日松坂大輔投手(38)が6回1安打無失点、9奪三振の好投を見せた。逆転負けで惜しくも3勝目を逃した。野球評論家の西本聖氏にテレビ観戦で今回のピッチングについて聞いた。

 -6回を1安打無失点

 西本氏 結果は素晴らしかったが、けっして調子は良くなかったと思う。抑えても納得のいく表情はしていなかったし、ベンチでは肩をグルグル回していた。今季私が見た中でも悪い部類に入った。

 -それでも抑えられた理由は?

 西本氏 右打者の外角を狙ったスライダーが内角に抜けていた。投手本人は抜けたことが分かっても、打者というのは試合後に映像を見ないと分からない。打席の中では内角を狙ってきたと感じ、意識するもの。それをうまく生かして、次のボールを外角に決めていた。バッターからすれば、あの内角に抜けたスライダーがものすごく邪魔になったのではないか。オリックス打線がボール球をどんどん振ってくれたこともあるが、タイミングをうまく外していたし、駆け引きというのがとても大事だなと今日のピッチングを見て思った。

 -3勝目は付かなかったが試合はしっかりとつくった。ここまで2勝3敗、防御率も2・51

 西本氏 「さすがだな」という感じがするし、十分、チームに貢献している。己を知るというのか、昔の自分とは違うということが分かっている。狙ったコースに行かなくても、そのボールを次に生かす。メジャーなど多くの経験を生かしながらピッチングをしているなと感じた。