無情の雨によるノーゲームとなった。これは中止かな? と思ったところで小雨になり、ようやく再開…となったタイミングで一気に豪雨に。どないやねん。空に向かって突っ込んでも意味はない。ホーム勝ち星、甲子園白星は、当然だがこの日も生まれず、「ここで早く1勝」という思いは11日からの中日戦(甲子園)に託すことになった。
それでも虎党は少しは安心できたかもしれない。2日間、体調不良でスタメンを外れていた佐藤輝明がこの日、復帰。そして1回に一、二塁間を破る安打を放った。「安打」と書いたがノーゲームなので、記録としては残らない。
ほかに森下翔太が1回、木浪聖也が2回に安打したが、もちろん、これも記録にはならない。1本損したね? と木浪に声を書けると「まあ、大丈夫です!」と笑顔で返してきた。「サード木浪」は前日1試合だけで、この日から「8番・遊撃」に復帰、11日からも攻守で暴れる構えだ。
「幻の1安打」にゆったりと構えるレギュラー陣に対し「雨だから仕方ないけど、残念ですね」と苦笑していた男がいる。原口文仁だ。FA宣言で残留した大山悠輔、宣言せずに残った坂本誠志郎に加え、昨オフ、FAで話題になった1人だ。熟慮の末、阪神に残留。今季もチーム伝統の仕事である「代打の切り札」としてベンチで控える。
その原口、ここまで4カードを消化し、まだ安打がない。もちろん代打だけに打席数に限りがあり、無理もないのだが、ここまで4試合で立ったのは4打席。出塁は1四球だけで、3打数無安打である。
「そうですね。早く、ほしいですね。今年は打てるのかな、とか思ったりね。さすがに夢にまでは見ませんけれど。寝るときは考えないようにしてるんで。でも早くほしいですね」
先日の試合前練習時、汗をかいた原口は今季初安打について話していた。どんな大打者でもシーズン前には「今年はヒットを打てるのか?」と考えてしまうという話は聞くが、代打という難しい立場だけに、独特の思いがあるのだろう。
阪神が日本一に輝いた23年、開幕3戦目、4月2日のDeNA戦(京セラ)でワンストライクから島田海吏の代打に出て放った本塁打も、あのシーズンの初安打だった。必ずチャンスは来るはず。ここは原口に「本拠初勝利」を呼び込む安打を期待したい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




