6連勝で貯金6、横浜で負けた広島をジリッと引き離し、阪神は首位をキープした。なにしろ昨季セの覇者・巨人を相手に開幕から5戦5勝である。「77年ぶり」と言ってもそのときは生まれていないのでピンと来ない。まさに経験したことのない状況といえる。
そう言えば阪神の圧倒的な強さをイメージするかもしれないが、もちろん、そうではない。このゲームにしても紙一重というか、どちらに転んでもおかしくない展開だったと思う。
焦点は同点で迎えた8回の攻防だろうか。両軍、申告敬遠を繰り出し、防戦に努めた。それが功を奏した阪神に対し、防ぎ切れなかった巨人という構図だ。特に守りの部分でそれが出た。小幡竜平の美技と泉口友汰の失策である。厳しい言い方になるが、この対比が勝敗を分けたといっても過言ではないと思う。
「こういう試合はミスが出た方がやっぱり苦しいですよね」。そう話したのは総合コーチの藤本敦士だ。8回裏、1死から森下翔太の三遊間に飛んだ内野安打を刺しにいった遊撃・泉口が一塁へ悪送球。1死二塁の状況となった。ここで佐藤輝明が申告敬遠された後、5番・大山悠輔が決勝打を放ったのである。
ミスが勝敗を分けたのは間違いないと書いたが、実は、この2試合は“ミス合戦”にもなっている。前日の4回戦は両軍2つずつ失策を記録。さらにこの日は阪神も大山が5回に失策していた。前回、東京ドームでの3連戦は両軍とも失策はなかったのだが、3戦目を残して、甲子園対決はこの状況である。
前監督で今日27日に体調不良から復帰し、解説に甲子園を訪れる岡田彰布(オーナー付顧問)は「守りの野球」を掲げてきた。この日はそういう試合だったと思う。「守りに助けられました」とブルペン陣が声をそろえていたのが、チーム状況を表している。それでも流れはすぐに変わってしまうのも事実。これがあるうちに、ここは3戦目も取りたいところだ。
「いまは勝負のアヤというか、それがこちらの方に向いているので離さないようにみんながしっかりやってくれていると思いますね」。指揮官・藤川球児もそれは分かっている。3戦目はルーキー左腕・伊原陵人が先発する。打撃での援助はもちろんだが、3連勝のためにも、ここは守備陣がしっかりと守って支えたいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




