決勝戦は、順当に勝ち進んだ第1シードの中越と3年連続甲子園出場を目指す日本文理の対決となった。12年ぶりの甲子園を目指す中越は7回コールドで小出に圧勝した。3-3に追いつかれた7回裏に5長短打などを集めて一挙7得点を挙げ勝負を決めた。決勝はきょう26日、ハードオフエコスタジアム新潟で午後1時に行われる。

 試合終了後に整列して、最後のあいさつを終えた直後だった。中越の4番波方凌(3年=捕手)は小出ナインから次々と激励を受けた。「絶対、甲子園にいってくれ」。相手の左腕エース庭山希(3年)は堀之内中時代にバッテリーを組んでいた親友。先発に4人、中学時代の仲間が加わっていた。「(言葉は)心強かった」。パワーをもらって、決勝に挑む準備ができた。

 「(小出に進学した)相手より自分の方が練習してきた、という自信があった。やっぱり自分がやってきた3年間は間違いなかった」。そう話した波方は、準決勝の舞台で証明してみせた。0-0で迎えた1回裏満塁の場面では中堅への犠飛をきっちり決めて先制点。7得点のビッグイニングになった7回裏も打撃で貢献した。5-3としてからの1死一塁のシーンで、右翼への適時二塁打だ。「小出が(第4シードの)上越に勝ったあとに、庭山と一緒にご飯にいって『準決勝で会おう』と話をした」。約束が実現した元同僚対決は、波方に軍配が上がった。

 左腕の庭山対策は十分やった。24日の練習は、野手を含めた左利きの選手を総動員して打撃練習を繰り返した。そんな特訓が功を奏した。チームは4回まで無安打に抑えられたが、5回からつかまえ、7回までの3イニングで9安打を放った。「中越は打ち勝つチーム。追いつかれても、追い越されても自分たちの打撃に自信を持ってやりたい」。その中心に波方がいる。【涌井幹雄】