「レジェンド校」が聖地に帰ってくる。夏甲子園、第1回大会優勝校の京都二中の流れをくむ鳥羽が、15年ぶり6回目の全国舞台をつかんだ。今春センバツ出場の立命館宇治との決勝で、伝統の攻守を披露して優勝。前日26日は、第1回大会出場校として早実(西東京)が甲子園切符を勝ち取った。初代優勝校として、高校野球100年の舞台は譲れなかった。

 守備ではミラクルプレーが飛び出した。4点リードで迎えた4回2死満塁。左中間への当たりを伊那夏生中堅手(2年)が横っ跳びで好捕した。「打者が百田(風太郎捕手=2年)君で、三遊間方向に打球がよく飛ぶとデータがありました。だから、自分の守る位置も左中間寄りに変えていたんです」。データを生かす頭脳と思い切りの良さを備えていた。大ピンチを切り抜けると5回は絶妙なバント安打で2死一、三塁とし、松尾大輝投手(3年)が中前へはじき返して追加点を奪った。

 この守りと攻めが、京都二中の流れをくむ鳥羽の、現代版勝利のスタイルだった。山田知也監督(39)は「4回の守りも大きかった。その次の回の攻撃は、選手たちがさまざまに考え、練習してきたことを出してくれたのだと思います」と褒めた。ノーシードから制した鳥羽が、京都二中の魂とともに、高校野球100年の甲子園で優勝をつかみに行く。【宇佐見英治】

 ◆鳥羽 1900年(明33)に創立した京都二中の流れをくむ府立校。生徒数は1068人(女子528人)。野球部創部は1901年。部員81人。甲子園は夏6度目、春は4度出場。主なOBはオリックス平野佳寿。所在地は京都市南区西九条大国町1。吉田真人校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦10-0京都農芸

3回戦7-2宮津

4回戦2-1京都すばる

準々決勝8-1京都翔英

準決勝8-0乙訓

決勝6-4立命館宇治