創成館が昨夏決勝で敗れた海星を下し1962年の創部以来、初めて夏の甲子園出場を果たした。主将の大田圭輔捕手(3年)は「(海星に)決勝で負けて1年間悔しい思いで練習してきた。去年の負けがあったから頑張ってこれた」。春夏連続の甲子園出場の道を断たれた屈辱を晴らした。

 試合前、08年秋から指揮を執る元九州三菱自動車監督の稙田(わさだ)龍生監督(51)に「もう新幹線で岡山ぐらいまで行っているぞ。途中下車はいかん」と鼓舞された。3-3と同点に追いつかれて迎えた5回裏。1死から、ここまで適時二塁打2本と大活躍の2番・嶋田力也外野手(3年)が、勝ち越しの右越えソロ本塁打でチームに勢いをつけると、さらに連打、敵失などで突き放した。

 冬場に「打倒海星」を掲げ、「山ラン」と呼ぶ山道のクロスカントリーや1日1000スイングのノルマをこなした。血のにじむ練習で勝ち取った優勝だった。過去2度出場のセンバツでは未勝利だが、嶋田は「甲子園で伝統を築きたい」とチームの思いを代弁する。全力野球で球史に新たな歴史を刻んでみせる。【菊川光一】

 ◆創成館 1962年(昭37)九州経営学園として創立した私立校。88年から現校名。普通科とデザイン科で生徒数は780人(女子336人)。野球部は創立と同時に創部。部員数は117人。甲子園は春2度、夏は初出場。所在地は諫早市貝津町621。奥田修史校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦10-0北松西

3回戦6-1長崎西

準々決勝5-2波佐見

準決勝5-2長崎商

決勝7-3海星