一時は同点に追いつく豪弾を放ったグルラジャニ・ネイサン内野手(3年)が、PL学園の最後の打者になった。7回裏の同点ソロの直後、8回表に大体大浪商・北山諒(3年)に決勝被弾。最後の攻撃は3人で終わり、頭から一塁ベースに飛び込んだグルラジャニはしばらくそこから動けなかった。

 相手に先制を許したのは遊撃の謝名堂陸主将(3年)の落球。主将は「ショートなら絶対に捕らなければいけない打球」と嗚咽(おえつ)を止められなかった。野球経験のない草野裕樹監督(64)の補佐役、奥野泰成内野手(3年)は「あいつのやったことなら仕方ないです」とかばった。

 3年生が去ると、部員は一般入試組の2年生12人だけになる。練習試合は組めても、紅白戦はできない。チームを支えてきた2人のコーチも契約切れで部を去る。発端は度重なる部内の不祥事。看板として野球部を支持してきた教団の空気も様変わりした。教団の意図は校長である草野監督にもなかなか伝わらず、この日も「来春も部員募集はないと思いますが、しっかり立て直して再スタートしたい。具体的にはないですが」と予測を語るだけだった。【堀まどか】