第97回全国高校野球選手権大会(6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が行われ、12年ぶり9度目の出場となる新潟代表の中越は、大会第4日(9日)の第3試合に滝川二(兵庫)と対戦することが決まった。中越は2日に甲子園見学会を終え、夢舞台の雰囲気を確認。対戦相手も決まり臨戦態勢を整える。

 中越の斎藤颯(りゅう)主将(3年)は右手で抽選札を引いた。「14のB」。対戦相手は空欄のまま、席に戻る。その後、対戦相手が滝川二に決まると壇上でわずかにうなずいた。「すごく緊張しました。右手で引くのは、いつも攻守のじゃんけんが右手なので。(壇上の)トーナメント表を見たら、真ん中あたりに入ったので、まずは良かったなと思います」と笑顔を見せた。

 激戦区・兵庫を勝ち抜いてきた相手の印象については「まだ分かりませんけど、キャプテンとは仲良しになれそう」と滝川二の建畑亮太主将(3年)と顔を見合わせた。写真撮影を待つわずか5分足らずの間に、お互いがどんなチームか情報を交換した。「相手には左打者が多いとか、こっちには右打者が多いから逆だねとか、それくらいです」と不敵な笑みを浮かべた。

 懸案は対戦相手よりも日程面だった。「1、2日目は嫌だった。4日目なら甲子園の雰囲気も落ち着いている。後ろすぎずに、ちょうどいいと思う」。斎藤だけではなく、本田仁哉監督(38)も同じ言葉を口にした。「日程的に戦いやすいところだと思う。相手の情報はまだ分からないけど、地元だし名門校。どのチームも強いが、厳しい戦いを勝ち抜いている」と指揮官は警戒した。関西特有の暑さに順応する時間も取れる。

 12年ぶりに立つ大舞台。勝利は94年の76回大会から遠ざかる。本田監督は「20年前がいかに素晴らしかったかは、前監督や地元の方から聞いている。それをもう1回味わいたいと思う」と前を見据えた。関西の強豪に決まり、ムードはいよいよ高まる。【高橋悟史】