第97回全国高校野球選手権の南北海道代表・北海が今日6日、開幕試合で鹿児島実(鹿児島)と対戦する。5日は兵庫・伊丹市内で練習を行い、エース渡辺幹理(かいり、3年)と南北海道大会決勝で3安打完封した山本樹(3年)の2枚看板がブルペンで競演。それぞれ50球以上の投げ込みで調整を終えた。入学時から競い合ってきた2人が力を合わせ、高校野球100年の節目の大会で、91年ぶりの開幕戦勝利に挑む。
北海道きっての“レジェンド校”が誇る2枚看板が、高校野球100年のメモリアル大会の幕開けを華々しく飾る。全国最多36度目の出場となる北海のエース渡辺幹と山本の両右腕が、そろってブルペン入り。開幕戦の先発マウンドへ向け、最後の火花を散らした。気温36度の熱風に何度も汗をぬぐいながら、持ち球を駆使して、それぞれ50球以上。「投手がキーポイント」と言う平川敦監督(44)が「2人とも調子がいい。どちらが投げてもいいからこそ、ひらめきで決めたい」と、ぎりぎりまで先発を迷うほどの仕上がりだ。
高校入学時から、いつもブルペンの隣にはライバルがいた。「ずっと2人で高め合ってきた。樹(山本)がいなかったら、今の自分はない。けん制やフィールディングがうまいので、いろいろ聞いたりしている」と渡辺幹。この日の投球練習中には、渡辺幹が山本に「肘が下がっているよ」とアドバイスする場面も。交互に背番号1を付け、時には助言を請い、与え、競い合ってきた。
ともに最速は140キロ超。器用な山本と、がむしゃらな渡辺幹と2人のタイプは似ているようで、違う。これまでは、1人が好調なら、片方が故障と、なかなか2人そろって万全な状態で大会を迎えることが出来なかった。だからこそ、存分に投げ合える今夏は、2人にとっても特別。「先発マウンドへ上がったら譲りたくはないけど、後ろにあいつがいるという安心感がある」という渡辺幹の思いは、山本だって同じだ。
後攻なら、始球式を行うソフトバンク王貞治球団会長(75)の後に、マウンドに立つことになる。何かとメモリアルな今大会。山本は「相手は左打者が多く外角に強いイメージなので、内角へしっかり投げるよう心がけたい」。“2人で1人”の両右腕が、チームにとって91年ぶりの開幕戦勝利をたぐり寄せる。【中島宙恵】

