鶴岡東(山形)の「シンデレラボーイ」松崎祥弥投手(3年)は「いいグラウンド」とリハーサルで聖地の雰囲気をかみしめた。背番号10のユニホームで甲子園に来られたこと自体「びっくりです」。あらためて喜びが湧いた。

 この夏の県大会で背番号19で初めてベンチ入り。4戦24回1/3を投げたエース左腕福谷優弥(3年)に次ぐ、3戦15回2/3、3失点の活躍で優勝に貢献した。

 実は1年前までは二塁手だった。だが、昨年8月のシート打撃中に、イレギュラーした打球が口元を襲い、歯茎が折れ、歯が3本抜けた。完治し、10月頭にはチームに戻ったが、守るのが怖くなっていた。見かねた佐藤俊監督(44)に投手転向をすすめられ、練習試合で投げているうち「コツをつかんだ」。冬に肩を痛め、春もベンチに入れなかったが、最後の夏に花開いた。

 佐藤監督は「状態を見て」と福谷、松崎両投手に先発の可能性があると話す。松崎は「調子はいいです。福谷がつかまれば自分が抑え、自分が打たれれば福谷が後にいる」と投げる気満々だ。