創設100年を迎え、全国高校野球選手権大会の第1回大会(当時は全国中等学校優勝野球大会)を制した京都二中の流れをくむ鳥羽が登場した。

 三塁側アルプス席には1946年の第28回大会で京都二中の準優勝に貢献した黒田脩さん(86)らOBが駆けつけ、躍動する「後輩」たちに熱い声援を送った。

 46年の大会では甲子園球場が連合国軍総司令部(GHQ)に接収されており、舞台は同じ西宮市の西宮球場だった。黒田さんは“聖地”に立つ後輩をうらやみつつ「ここに来ただけでうれしい。節目の年。縁は感じます」と目を細めた。

 京都二中は学制改革で48年に廃校となり、36年後、跡地に鳥羽高として復活した。京都二中時代の試合のスコアをきりの箱に保存するなど、伝統をしっかり守ってきた。開会式では野球部3年の片山海渡選手が「第1回大会出場校」として当時の復刻ユニホームを着て、堂々と行進した。

 校名が違っても気持ちは一つ。1回戦の岡山学芸館戦に7-1で快勝し、OBらは大歓声で殊勲のナインを迎えた。黒田さんも「感慨深いものがある。よくやってくれた」と満面に笑みを浮かべた。