遊学館(石川)は九州学院(熊本)に逆転勝ちし、13年ぶりの16強を決めた。山本雅弘監督(64)に「九州学院を3点に抑えてくれた。100点ですよ」とねぎらわれたエース小孫(こまご)。「味方が逆転してくれたあとは低めに集めていきました」。全国の強打者用に練習してきたフォークを使わないまま、最速144キロの直球、カーブ、スライダーで5安打3失点完投した。

 試合の前日はカレー。小学生のころ「食べた次の日にいい結果が出て」と守り続けるゲンかつぎ。石川大会は母敬子さん(45)が夏野菜、ビーフと具材を変え、5度のカレーで優勝。この日も前日、勝負カレーを食べての出陣だった。普段は自転車で20分の通学路でゴミを拾い学校で分別する。「身の回りのこともちゃんとやろう」と監督に言われて始めた習慣も続ける。

 打線も変身。出場校中最低のチーム打率2割5分5厘打線が、14安打で援護した。3回戦は東海大相模。「気合を入れて行きます」と小孫。優勝候補に立ち向かう。【堀まどか】