滝川二(兵庫)は優勝候補の仙台育英(宮城)に敗退した。

 「滝川二のイチロー」も、仙台育英・佐藤世を崩せなかった。夏16年ぶりの16強はならず。「甲子園で盗塁を決められなかったのは残念でした」。50メートル5秒9の俊足で打線を引っ張ってきた根来祥汰外野手(3年)も、脱帽した。

 初回、根来が左前打で出塁。続く大嶋の初球、山本真史監督(56)からバスター・エンドランのサインが出た。だがフォークに大嶋は空振りし、二塁に走った根来もアウト。「ミートのうまい大嶋だから、勝負をかけましたが」と山本監督もくちびるをかんだ。

 仙台育英との対戦決定後、フォークマシンで見極める練習、打ち込む練習を繰り返した。ビデオ分析でフォークを投げる際の癖も見抜いた。だが見極められても打ちきれず。「直球と同じ軌道で来る。いい投手でした」。兵庫大会5割、甲子園1回戦は10割の根来も初回の1安打に終わった。

 1回戦の中越戦で右目上部に裂傷を負い、5針縫った二塁手の山名はこの日は三塁ベースコーチ。負傷した9日は激痛に苦しみ、夕食もとれず。それでも2回戦に備えて12日から打撃練習を始め、前日はノックも受けた。腫れが引かず、出場をあきらめたが「一緒に二塁の練習をしてきた山根のプレーを見ることができて良かったです」と気丈だった。監督は「もう1度試合に出してやりたかった」と悔やんだ。【堀まどか】