「高校関東NO・1」の呼び声高い、青藍泰斗(栃木)石川翔投手(3年)は、宇都宮商戦で5回から救援し、圧巻の10奪三振。高い修正能力を見せ逆転勝ちを呼び込んだ。

 青藍泰斗・石川翔投手が、最後の打者を10個目の三振で仕留めると、安堵(あんど)の表情を浮かべた。「こんなところで負けられないと思って。とにかく気持ちで抑えました」。5回までに2点をリードされる苦しい展開だったが、自らの右腕で勝利をたぐり寄せた。

 石川は5回から3番手で登板し1三振奪ったが、制球が安定せず、2四死球で2安打を許し、1失点した。しかし、ここから直球主体の投球を変化球を軸に修正すると、奪三振ショーが始まった。6回から打者13人で9奪三振。「1点もやれないプレッシャーはあったけど、楽しかった」と振り返った。縦のスライダーがコーナーに決まり、直球の最速も147キロを記録。テンポ良く相手打線を抑えて、チームの逆転を呼び込んだ。

 この試合も10日の1回戦と同じく、ベンチからのスタートだった。2日の練習試合で痛めた左足の状態は「60%くらい」と万全ではないが、「今は痛いなんか言ってられない。投げるしかない」と強い気持ちでマウンドに上がる。

 スタンドではプロ9球団21人のスカウトが、力投を評価した。DeNA欠端スカウトグループリーダーは「真っすぐに力があってスライダーも良い。将来性豊かで楽しみな投手です」と絶賛した。

 17日の3回戦は、足利工大付が相手となる。石川は「とにかく自信を持って気持ちで投げるだけです」と意気込んだ。手負いの状態ながらも、チームのために全力投球する。【太田皐介】