福岡県内屈指の公立進学校、東筑が4-10で済美(愛媛)に完敗した。2年生エース石田旭昇(あきのり)投手が、7回2/3で10安打10失点(自責6)と大崩れ。同校6度目の甲子園で、うちエース4人が石田姓。4代目石田は悔し涙にくれ、伝説の続きは来年の第100回大会に持ち越された。

 石田の涙が止まらなかった。福岡大会は全7試合を1人で投げ抜いた。だがこの日の145球を含む粘投も及ばず、今夏通算981球で力尽きた。7回2/3で降板。今夏初の途中降板にガックリ下を向きベンチに戻った。それでも逆転を信じ最後までベンチの最前列で声をからした。敗者の三塁側。「(福岡大会は)いつも歌う側だったので初めて負けたんだと思い悔しかった」。熱い思いがあふれ出た。

 開会式に臨むバス移動中、全員で校歌を歌い、モチベーションを高めた。入場行進は「鳥肌が立ちました」と身震いするほど感動。気合十分だった。一方で周囲からは「『石田伝説』を塗り替えてほしい」と石田姓初の8強進出を期待された。「プレッシャーを自分で背負い気負わないことを意識したい」と引き締めてきたが、甲子園のマウンドは想像以上だった。

 青野浩彦監督(57)は「(石田は)いろんな重圧があったのかな」と思いやった。石田も「(試合直後から)いつもの自分じゃなく地に足がつかなかった。雰囲気にのまれてあたふたした」と福岡大会との別人を感じていた。

 1回、連続四死球や失策に暴投がからみ先制点を献上。3回も死球の走者を適時失策でかえされる悪循環。集中力を欠き、3回の登板ではロジンバッグをポケットに入れ忘れた。逆転で迎えた4回途中、雨で1時間15分中断した時は「集中して気持ちを高めた」と言う。だが5回1死一、三塁、2ボールから、甘い真ん中直球を投じてしまい、3ランを被弾。6回も2死一塁から決定的な2ランを浴びた。

 つらい甲子園初登板。「力の無さを感じさせられましたが、この悔しさをバネに踏ん張り、またここ(甲子園に)戻って悔しさを晴らしたい」。まだ2年生で来年は100回大会。リベンジで、石田新伝説を作る。【菊川光一】

 ◆石田旭昇(いしだ・あきのり)2000年(平12)7月31日、福岡県鞍手町出身。野球は小2から軟式の鞍手ベアーズで投手として始める。鞍手中では軟式野球部所属。東筑進学後、上手から横手投げ転向。1年秋からベンチ入りし5月の日大三との招待試合からエース。最速137キロ。国立大進学希望。趣味はスポーツ観戦。173センチ、67キロ。右投げ右打ち。