第100回全国高校野球選手権記念大会の岩手大会(7月6日開幕、岩手県営野球場ほか)の組み合わせ抽選会が22日、盛岡市内で行われた。最速153キロ右腕・佐々木朗希(2年)を擁する大船渡は7月8日の2回戦で、第4シードの盛岡三と対戦することが決まった。春県4強の盛岡三も、186センチの長身エース右腕・西舘洸希(3年)が最速144キロを誇り、初戦から岩手屈指の剛腕決戦が実現した。

 第100回記念大会だからこそ、何かが起こる。大船渡・熊谷南海主将(3年)が61番目にくじを引いた瞬間、思わず会場がどよめいた。第4シード盛岡三の隣の32番を引き当て、初戦から大会屈指の剛腕決戦が実現した。熊谷は「ちょっとびっくり。予想外」と本音を漏らし、盛岡三・川原田太一主将(3年)も「初戦から当たるとは思ってなかった」と動揺を隠さなかった。

 大船渡は20日にU18日本代表候補入りが発表された189センチの佐々木が投打の大黒柱だ。春の県初戦は盛岡中央を相手に8回7安打9奪三振3失点で敗れたが、球速は今春の全国最速となる153キロを計測。1番打者としても2安打3四死球で全5打席で出塁し、二刀流で強烈な存在感を示した。バッテリーを組む捕手の熊谷は「朗希がしっかり投げてくれたのに、援護できなかった。勝負どころでの1本は気持ちの問題。ここぞの場面で打てるように練習している」と、現在は打線を強化中だ。

 一方の盛岡三・西舘の剛腕ぶりも負けてない。186センチの長身から角度のある直球を投げ込み、春の県大会では2戦連続完封をマーク。同準決勝から私立勢に連敗して東北大会切符を逃したため、春以降は大船渡と同様に打撃に力を入れている。川原田は「エンドランや進塁打などを意識してやっている。打線の調子は上向いている」と自信を見せた。

 岩手が東北6県の先陣を切って、7月6日から開幕する。残された時間はあとわずかだ。佐々木は先週に行われた金足農(秋田)との練習試合で最速152キロをたたき出しており、状態は上がっている。第100回の夏は、岩手から燃え上がる。【高橋洋平】