7年ぶりの甲子園を目指す帝京が、16強に進出した。結果的に12安打を放ちながら、序盤はチャンスを生かせずに6回までは2-0の試合展開だった。

 前田三夫監督(69)は「点が取れなかったね。絞り球を決められなかった。変化球なんだろうけどね。こういうゲームもありますね」と振り返った。

 先発の背番号「10」、白石結太投手(3年)は、180センチ、85キロの左サイドスロー。9回5安打2失点で完投したが、100球はすべてシュートとカットボールで、直球は投げなかった。「3番投手」として7回には右前に2点適時打を放った。

 完封目前の9回に2失点。前田監督は「(9回先頭打者への)あのデッドボールが反省材料。緊張感がなくなった。こういうところを分かっていかないと、これからのゲームは勝てない。(背番号1の)松沢が後ろにいるから、気持ち的には楽に投げられている」と言った。

 帝京史上初の1年生二遊間、小松涼馬二塁手と沢石淳平遊撃手はそろって先発し、ともに1安打を放った。

 小松は2回2死二塁のピンチで、中堅に抜けそうな打球に追い付き、好プレーで先制点を防いだ。

 前田監督は「守備範囲が広い。普通なら抜けてますね。1年生ですがよく守っている」と評価した。1年生二遊間の起用を決断したのは春季東京大会だったという。「二遊間の動きが良くなかった。エラーもする。チームとしてギクシャクしていた。上級生がちょっと弱い。このままではチームは上がってこないと思って1年生を使ってみたら、彼らはこなした」と抜てき理由を説明した。