ドタバタ劇も乗り越え、激闘を制した。小山台(東東京)が安田学園に延長10回の末に6-4で競り勝ち、4強入りを決めた。都立八時代の1949年の東京大会の準優勝以来、4強進出は69年ぶりの快挙。同点の8回1死、左翼ポール際への飛球を巡って、2度判定が覆ったが、メンタルトレーニングの成果で気持ちをリセット。エース戸谷直大投手(3年)が10回を熱投し、飯田光塁主将(3年)が決勝の3点適時二塁打を放った。
小山台・戸谷は力を振り絞った。2点リードの延長10回2死三塁、ゴロを捕った三塁手が一塁に送球。「アウト」のコールを聞き、マウンド上で雄たけびを上げながら、両拳を握った。「気持ちで攻められたことが一番良かったです」。9回途中から、右ふくらはぎをつった。治療を受けながら、「気持ち」で延長10回を投げ抜いた。
ドタバタ劇も、「気持ち」はぶれなかった。同点の8回1死、1番松永和也外野手(3年)の左翼ポール際への飛球がファウル→本塁打→ファウルと判定が変更。「(落胆は)全然なかったです。ファウルになるだろうなと思ったので」と笑った。結局、三振で同点のまま8回裏に入ったが、落ち着いた投球で無失点に抑えた。
福嶋監督は苦い思い出を払拭(ふっしょく)した。21世紀枠で出場した14年のセンバツ。履正社(大阪)戦で本塁打かファウルの微妙な飛球に対し、ベンチで我慢した。0-11で敗れたが「甲子園で(確認に)行けなかった」ことが心残りだった。この日は2度判定が覆ったが、再びファウル判定を告げる球審に、納得の表情でペコリと頭を下げた。
審議後、選手には「切り替えだぞ」と伝えた。普段から、メンタルトレーニングを取り入れ、日誌やミーティングでメンタルを強化。「切り替えはうまいんです。選手にはリセットという言葉を使って」試合に集中させた。飯田主将は「しょうがないかなと思った」と話したが、決勝の3点適時打で応えた。
夏の4強入りは、都立八時代の49年東京大会の準優勝以来、69年ぶりの快挙だった。激闘を制した福嶋監督は開口一番「疲れたねぇ…。暑くて」とドタバタ劇よりも気候に息をついた。「選手が集中力を持続してくれた。チーム力、みんなの力で勝てた。でも、次がありますから」。すぐに準決勝へと気持ちをリセットした。【久保賢吾】

