ゴジラ先輩もビックリ!? まるで真昼の花火大会だった。星稜(石川)が7本塁打を含む先発全員となる28安打22得点で金沢学院に圧勝し、2年ぶり19度目の夏甲子園出場を決めた。

 号砲は1回裏。バッテリーエラーで先制し、なお1死一塁で4番南保(なんぼ)良太郎内野手(3年)が豪快なフルスイングで右中間へ2ランを運んだ。続く5番竹谷理央外野手(3年)も右越えに運んだ。

 これだけでは終わらない。ぎっしり埋まった観客も仰天のアーチショーがここから本番だった。4回は竹谷が2発目。さらに南保&竹谷の左スラッガーコンビで7回、8回と2イニング連続、この試合3度目の2者連続アーチを放った。「ビックリしている」と2人は口をそろえた。

 石川県大会の記録は次々と塗り替えられた。2人で7本塁打は、1試合のチーム最多。1試合最多となる4発の竹谷は、南保と刺激し合うように打ちまくった。「ライバルというよりお互いに高め合う存在。南保が打ってくれるとうれしい。3年間一緒に練習してきたので」と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。南保は今大会5本塁打とし、個人最多記録を更新した。

 決勝で初めて先発した2年生エース奥川恭伸投手は3安打完封。今大会7投手が登板し、全5試合無失点のまま優勝した。これは第35回大会の桜丘以来だが、桜丘の4試合を上回る5試合で星稜は頂点に達した。

 林和成監督は「ちょっと出来過ぎ。これだけの成績が残せるとは思わなかった」と驚いた様子だった。竹谷は「センバツはベスト8だった。それを超えたい」と意気込んだ。