【第4試合(16:00)明石商(兵庫)-智弁和歌山(和歌山)】

2年生コンビがチームを引っ張る明石商が、春夏通じて初のベスト4に挑む。2年生エースの右腕中森俊介投手は、国士舘との1回戦で1失点10奪三振の完投。1年夏の甲子園初登板で記録した自己最速を1キロ更新する146キロを計測するなど、成長を見せた。

大分との2回戦では2回途中からマウンドに上がると、5回2/3を無失点7奪三振の好リリーフ。1回戦で出した最速をまたも1キロ更新する147キロも計測した。打っては逆風の浜風を切り裂き、左打席からバックスクリーン右へ放り込んだ。

もう1人の2年生、1番来田涼斗外野手は初戦で2打数1安打。2四球を選び、適時打と犠飛で3打点をあげた。2回戦でも5打数2安打2打点と好調をキープ。四球と敵失を合わせて4度出塁し、先制など3回ホームを踏んだ。ここまで11打席に立ち、出塁率は6割3分6厘。2試合連続適時など、勝負強さも光る。 攻撃面では初戦が7安打7得点、2回戦が13安打13得点。小技を絡めた効率のいい攻めで隙がない。

初のベスト4をかける相手は、昨春準Vの強豪智弁和歌山。昨秋の近畿大会準決勝では12-0で5回コールドと圧倒した。中森は無失点投球で、来田は特大3ランを放った。いいイメージを持つ2年生2人が投打の鍵を握る。

◆明石商の主なOB 西武松本航投手

 

智弁和歌山は啓新(福井)との2回戦で先発全員の15安打を放ち、打撃面は上り調子だ。黒川史陽内野手(3年)東妻純平捕手(3年)という2枚看板の前後が好調。2番西川晋太郎内野手(3年)5番根来塁外野手(3年)がともに2戦合計5安打。昨春準Vのメンバーが多く、伝統の強力打線は計算できる。

2回戦はエースの池田陽佑投手(3年)が2失点完投。制球良く、打たせて取る投球で相手打線を二遊間中心の堅い守備網にかけた。ただ、池田陽はこれが高校での初完投勝。連投は微妙で、もし先発したとしても、左腕の池田泰騎投手(3年)らに早めの継投が予想される。投手陣の踏ん張りが4強への最低条件となりそうだ。

平成のセンバツ27勝は単独1位。準々決勝に勝てば平成の春夏甲子園通算64勝となり、大阪桐蔭を抜いて単独トップに立つ。明石商には昨秋の近畿大会準々決勝で0-12のコールド負け。ナインはリベンジに燃えている。

◆智弁和歌山の主なOB 日本ハム西川遥輝、中日岡田俊哉、ロッテ東妻勇輔