第101回全国高校野球静岡大会(7月6日開幕)の組み合わせ抽選会が今日22日、静岡市清水区の清水マリナートで行われる。浜松江之島の鈴木颯太主将(3年)は、度重なる故障を乗り越えての最後の夏。悔いを残さないため、全力投球で臨むつもりだ。

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鈴木は、これまでの野球人生で故障との闘いを繰り返した。曳馬中2、3年時に右ひざ半月板損傷で2度の手術。浜松江之島高でも1年時の6月に再発し、2カ月後に川崎市の病院に代えて3度目の手術に踏み切った。それから2年近くたつが「まだ痛みが出る。ひどいと歩けなくなります」と、再発の恐怖を常に抱えながらプレーしている。

故障を抱えたまま臨んだ1年時の夏。練習試合のベンチ内でひたすら声を出し続け、チームのサポートを全力でこなした。その姿を見た竹下裕和監督(38)から背番号19を与えられ、メンバー入りした。昨夏は背番号11をつけて臨み、1回戦の7回に登板。1回1安打無失点に抑え「試合に出る喜びで緊張はありませんでした」と振り返った。

主将就任後も、献身的にチームを支えた。仲間から厳しい言葉を浴び涙したこともあったが、姿勢を貫いたことでチームメートもついてくるようになった。一枚岩になってきたチームに「このままいけば、どこが相手でも勝てると思う」と自信を深めている。

夏の大会後は野球をやめ、リハビリ期間中に抱いた、理学療法士になる夢に向かう。だからこそ、「とにかく1勝したい。自分が試合に出なくてもチームが勝てればそれでいいです」と力を込めた。【河合萌彦】

<浜松江之島1984年創部>

打ち勝つチームを目指し、練習時間の多くを打撃に割いてきた。打線の中核として期待される和久田が「10点取られたら11点取り返す意識でやっている」と話す通り、積極的に打っていくスタイルで徐々に成果も表れてきた。投手陣では小池、近藤、鈴木の3人がエース争いを展開。競争によって力を伸ばした。夏は昨年まで7年連続初戦敗退。現チームは公式戦未勝利だが、自信を持って夏1勝を目指す。