鹿島台商・石巻北連合の山田知希(しるき)主将(鹿島台商3年)が同県初の女子主将として抽選くじを引いた。CM出演経験もあった女優の夢を諦め、マネジャーから昨秋に選手転向。高野連規定で出場は出来ないが、開会式ではプラカードを持って入場行進し、試合では記録員としてベンチから声などでチームを引っ張る。初戦の2回戦(14日、仙台市民)では仙台高専と対戦し、女子主将で初勝利に挑む。13日の開幕カードは泉-湧谷に決まった。
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山田は制服のスカート姿で登壇すると、男子主将に負けない大声で番号を読み上げた。「周りが男子ばかりで、試合に出ない私が引いていいのかという不安もあって緊張しました。ちょっと間違えてしまったけれど、元気では負けなかったので良かったと思います」。選手宣誓にも立候補したが、44分の1の幸運はつかめなかった。
鹿島台商の主将は大内優斗投手(3年)だが、合同チーム結成の際に、エースの負担軽減のために任命された。「先生やチームメートからは『知希じゃないと雰囲気が良くない。声は一番出ている』と言われました」。合同で練習出来るのは土日のみ。今春の練習試合では3度の代打出場機会を得たが、初打席は見逃し三振。3度目にファウルを放つなど空振り三振でも進歩する姿に、仲間も刺激されてきた。
小学校では柔道で県上位。中学は吹奏楽部。大手芸能事務所に所属してCMなどに出演するなど女優としても活躍してきた。高校入学直後、当時の3年生主将の輝く瞳に魅了され「野球は何人でやるかも分からなかった」ところからマネジャーとして入部。高1夏、女性として試合でノックを打つ湧谷・阿部奈央監督(27、現部長)の姿に憧れ、昨秋から選手に転向した。「女優の夢は1年生の時に諦めました。野球が忙しいので」と覚悟を決めた。
初戦は仙台高専と対戦する。「私についてきてくれる仲間のためにも、誰にも負けない大きな声で初戦を突破したい」。小学校で務めた運動会の応援団長の経験も生かし、声と存在感で背中を押して校歌を歌ってみせる。【鎌田直秀】

