駒大苫小牧の女子硬式野球部が11日、始動した。発足メンバー24人はすべて1年生で、男子部が甲子園で初の全国制覇を果たした04年生まれの世代。同校内にある従来のソフトボール場を整備した女子専用グラウンドで、女子日本一を目指しスタートを切った。今後は約1カ月後をめどに紅白戦、さらに男子Bチームとの練習試合など、段階を踏んで、土台を築いていく。

伝統儀式“わっしょい走”から始まった。男子部が練習前に行うのと同様、行進しながら掛け声と歩みを合わせ徐々にスピードを上げる。乱れると茶木圭介監督(42)から「足を合わせることから、息ってのは合うんだぞ!」とゲキが飛ぶ。男子部部長として全国連覇を知る監督のもと、約3時間の練習を終えた松葉桃香投手は「最初は緊張したが、みんなで動いているうちに気持ちが上がり楽しかった」と振り返った。

道内組18人、道外組6人、すべて経験者(うち硬式経験3人)。七飯大中山中時代にKボールで渡島選抜として全国経験がある左腕の金田涼々(すず)は「目標は日本一。すぐ達成できなくても掲げることで努力を徹底できる」。青森から進学の小笠原星(あかり)投手は「同じ夢を持つ仲間たちと妥協せず、突き詰めていきたい」と前を向いた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初6日の始動が5日遅れた。大会は道外チームを道内に招き行う7月のスイートデコレーション杯は中止で、7月末からの全国高校女子選手権も開催は微妙だ。苦境の中、1歩踏み出したことに意義がある。茶木監督は「野球が出来ない地域もある中、やらせていただいていることに感謝です」。硬式では道内高校女子部の先駆けとして昨年全国4強入りした札幌新陽を追い、力をつけていく。【永野高輔】