新型コロナウイルス感染拡大により今夏甲子園で予定される全国高校野球選手権大会(8月10日開幕)が中止となった場合でも、東京都高校野球連盟は夏の東西東京大会開催へ準備を進める意向であることが2日、分かった。

生徒の安全確保を絶対条件に、3年生に最後のプレー機会を提供したい考えだ。また、千葉県高野連も同様の意向を持っていることが分かった。

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都高野連の武井克時理事長は「3年生は春もありませんでした。どうにか最後の大会はさせてあげたい」と思いを明かした。今春大会は全都道府県、全地区で中止。夏の選手権も危ぶまれているが、甲子園大会の開催有無にかかわらず、東京大会の準備を進める。

もちろん、クリアすべきハードルがある。まずは安全確保。武井理事長は「子どもたちの健康・安全の管理が、きちっとできるというのがスタートラインに立つ一番」と話した。感染リスクを抑えるため、無観客が濃厚。入場料収入がゼロでも「(開催する体力は)あります。基金を崩します」と明言した。消毒液、体温計などの準備も進める。

続けて「クラブ活動ですので、開校されない限りできない。正常に登校して、クラブ活動ができる状況下に収束すること」と話した。今月6日までの緊急事態宣言は1カ月ほど延長される見込み。各校の休校期間も延長必至。7月4日の開会式は「密を避ける」ため取りやめ、開幕を1週間ほど延期することを検討している。日程変更で球場確保がつかない場合、加盟校のグラウンド使用も選択肢となる。

日本高野連は20日の運営委員会で甲子園の開催可否を協議するが、都高野連は7日の常務理事会で方向性を打ち出す。武井理事長は「都大会が頑張ってやろうという決定の方が早いと思います。(甲子園中止なら)選手権の予選ではなくなりますが、何らかの工夫はしていきたい」。昨夏は東西合わせて259チームが参加した。たとえ優勝の先がなくなったとしても、全国一の参加校数を擁する東京は、最後の夏を開く道を捨てていない。

▽神奈川県高野連・栗原豊樹専務理事 3年生に最後の試合をしてもらうために、最大限の準備を進めています。