プロも注目する鬼怒商のエース江原恭真投手(3年)が、2球団のスカウトが視察に訪れる中、5回を投げ1安打完封の好投。チームを5回コールドでの勝利に導いた。

江原は5月下旬から左肘に痛みがあり、大会直前までリハビリ中心の練習。6月下旬、つくば国際との練習試合で3イニングを投げただけの、ぶっつけ本番の登板だった。しかし、マウンドに上がると、そんな不安を吹き飛ばした。得意の直球を丁寧に制球し、最速は133キロながら、ここぞというところでは力を入れ三振を奪った。6奪三振はすべて直球。江原は「投げ込みをしていないわりには、よかったと思います」と安心した表情を見せた。

入学時の最速は123キロ。ウエートとトレーニングで55キロだった体重を70キロに増やすと、球速、制球力がアップ。アウトコース主体でインコースに投げ込む。三振奪取力の高さが大きな武器。今年のテーマに掲げる最速145キロ到達も、自主期期間中の5月16日には自測ながら143キロを記録。あと2キロと迫っている。

須藤伸一監督(55)は「本調子ではない中で丁寧に投げてくれた。次はいい状態で投げさせてやりたい」と話した。プロを目指す江原は「ケガをしてしまい、上の世界はレベルが違うのかなと感じています。でも、最終的に目指すところはプロです」と力を込める。今大会で、もっと自分の力をアピールするつもりだ。