花巻地区では、今夏独自大会4強の花巻東が7回コールドで花巻南を退け、県大会出場を決めた。1年生の左打者カルテットが全得点に絡んだ。田代旭捕手が先制二塁打を放ち、リードでも公式戦初登板のエース左腕・中居颯真(2年)の3安打完封を導いた。

7点リードの7回裏2死、田代は最後の打者を空振り三振に仕留め、勝利球を笑顔で一塁に転送した。3番では1回1死二塁、左前に先制二塁打。高校公式戦初打点を挙げた。初戦の花巻農戦に続く先発マスクに「(県切符獲得は)大前提で、うれしいけれど神宮に出ることが目標なので当たり前」と攻守で新女房役の務めを果たした。

OBのエンゼルス大谷翔平(26)に憧れて入学。遠野東中3年の昨年まで、大谷の父徹氏(57)が監督を務める金ケ崎シニアで指導を受けた。体は身長178センチ、体重70キロと成長途上だが、二塁送球スピードは最速1・8秒台と肩に自信を持つ。感覚、人格、性格を重んじる佐々木洋監督(45)も「上の世界でやれる可能性を持っている」と期待する。

田代は「岩手から日本一」のチームスローガンがお気に入り。「大谷さんのようにもっとミート力を磨いてプロを目指したい」と夢を広げた。【佐々木雄高】