専大松戸(千葉)が初優勝を飾った。千葉県勢としては11年の習志野以来、10年ぶりの優勝となった。
打ち取る投球がさえた。先発の中舘宙(みち)投手(3年)は、9回途中まで安定した制球力で試合をつくった。130キロ前後のキレのある真っすぐと、この冬覚えたフォークとスプリット。右打者へはカーブ、スライダー。左打者へはツーシームと、奪三振は0でも冷静に打ち取った。野手も中舘の投球に備え、積極的な守備でバックアップ。中舘は「これが僕の投球」と胸を張った。
関東第一へのリベンジを果たした。3月7日、練習試合で対戦し、中舘はリリーフ登板で1回持たず4失点で降板した。「この敗戦で自分を見つめ直しました」。スピードを求め三振を狙う投球から、打たせてとる投球にシフトチェンジ。持丸修一監督(73)は「中舘は抜け球が多い。今までは低めに投げようとして打たれていた。それを高い位置から投げさせることで、打たせてとれるようになった」と分析。弱点を逆手にとり武器に変えた。
これまでは練習試合も含め、先発で5イニングが最長。今日も3~4イニングで交代を予定していた指揮官の期待を裏切り、自己最長イニングを記録。持丸監督は「上出来ですよ」と笑顔が止まらない。
この春、チームも変わった。センバツ後、それまでの石井詠己内野手(3年)から吉岡道泰外野手(3年)へ主将交代。吉岡はセンバツの中京大中京戦で、ダイビングキャッチを試みるも決勝のランニング2ランを許し、試合後、号泣した選手だ。持丸監督は「吉岡が一番悔しい思いをした。この思いを晴らすのは主将でしかない」と指名した。
背中で引っ張る石井から、声で引っ張る吉岡に代わり、チームが一変した。中舘は「試合中『大丈夫、打たれても俺たちが打ってやる』と内野の石井から、そして外野の吉岡からも声が聞こえる。今日はとても安心して投げることができました」と、新旧2人の主将に支えられ好投につなげた。
昨年、秋季関東大会には千葉県3位として出場。4強入りしセンバツ出場を果たしたが、当時、持丸監督は「投手が深沢しかいない。いい投手はいる。ただ試合で投げさせられるほど、育っていない」とチームの課題を話していた。今大会、準決勝で岡本陸投手(3年)が延長10回を完投、そして決勝では中舘が力を発揮。攻撃でも4試合で42安打25得点と力強さを示した。そして、安定した守備がチームを支える。持丸監督は「勝った喜びはありますが、本番は夏。投打ともに、もう少し整備が必要」と夏を見据える。もう1度甲子園へ-。専大松戸は、日々、強さを増している。【保坂淑子】

