花巻東が盛岡大付を15-0と圧倒し、春3連覇を飾った。先発左腕の中居颯真(3年)が完封。1回、佐々木麟太郎内野手(1年)のソロ本塁打を皮切りに、18安打15得点の猛攻で夏の県大会第1シードを手にした。

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昨年の春の覇者・花巻東が、秋の覇者・盛岡大付を圧倒した。先発中居が盛岡大付打線を高校初の完封。チームを3連覇へ導いた。

1~9番の打順一回りまでの予定で先発した中居は、持ち味の緩急をつけた投球で相手を翻弄(ほんろう)した。終わってみれば9回で被安打はわずか6。「監督さんからは逆転されてもいいと言われていたので、とにかく1人1人の打者を、緩急を使って抑えると割り切って投げられました」と振り返った。9回、完封を目の前にしてもその意識は変わらなかった。「点差が離れていたので最終的に1点差で勝っていればいいと、0で抑えるという意識はしていなかったです」と打者1人1人に向き合った結果が、自身初の完封を呼び寄せた。

打撃では、佐々木が高校通算8本目の本塁打でチームに流れを呼び込んだ。1回1死で迎えた第1打席。

2球目の内角高めスライダーを右翼芝生席に運んだ。「甘く入ってきた球をしっかり捉えることができました。いい形で先制点を取ることができて良かったです」と喜んだ。1安打と振るわなかった準決勝から1日でフォームを修正。下半身を使った打撃を心掛け、ソロ本塁打を含む3安打3打点でチームに貢献した。佐々木は夏に向け、「選球眼の強化を課題に、残り少ない夏の時間、1日1日を大切にしてパワーアップを図っていきます」とさらなる成長を誓った。

佐々木洋監督は、15-0という結果に、「出来過ぎの結果だと思っています。夏はこうはいかないと思うので引き締めていく」と語り、もう1段階のレベルアップを目指す。「岩手から日本一」をチーム目標に掲げる花巻東は、夏の優勝に向け加速していく。