横浜立野は執念の追い上げも及ばず、現役大学生の西村捷(さとし)監督(22)に勝利をプレゼントできなかった。

1-7で迎えた5回1死一、二塁。主将で4番の大矢賢人外野手(3年)が右翼に適時二塁打を放ち1点を返した。さらに後続の押し出し四球などで3点を追加し、5-7に。6-8で迎えた8回には、大矢の内野ゴロの間に1点を返し、1点差まで詰め寄ったが、あと1歩及ばなかった。大矢は「勝ちきれなかったのは悔しいが、最後の最後でチームが一丸となれ、自分たちのプレーができたことがうれしかった」と涙を拭った。

西村監督は同校野球部OBで、関東学院大に在学しながらチームの指揮を執って3年目。大学卒業に伴い夏の公式戦はこれがラストだった。今後は、指導者になるべく神奈川県の教職員を目指す。「夏のためにやってきて、その取り組みが実った。勝たせてあげられなくてごめん。今までありがとうと伝えたい」。頼れる兄貴分が、選手をねぎらった。