死闘を制した。9日から2日連続の雨天中止を経て、盛岡工が花巻北に9-7で逆転勝ちした。エースで4番の五日市健永投手(3年)がチーム最多の3安打1打点で打線を引っ張った。試合時間2時間51分と長い試合展開の中、チーム一体で集中を切らさずに、粘って初戦突破を決めた。

納得の投球ではなくても、打席で気持ちを切り替えた。この日は先発し4回3失点。序盤に2点のリードを許すも味方が5回、相手の適時失策で1点差に追い上げた。一、二塁で臨んだ第3打席は「(4番は)ヒットが求められている打順。思い切って振ることだけを考えた」と同点の中前適時打で流れを呼び寄せた。さらに後続が相手の2点適時失策を誘って逆転に成功し、その裏からはマウンドから右翼の守備へ。1点リードの最終回に左前打で出塁すると、9点目のホームを踏み、チームの柱として仕事をこなした。

82年夏に甲子園に出場した同校。次戦は14日、第2シードの盛岡大付と対戦する。細川幸希監督(47)は「岩手の野球をけん引する、代表するチーム。恐れないでいろんなプレーを思い切りさせて悔いの残らないようなゲームをさせたい」と力を込めた。【相沢孔志】

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