白鴎大足利が、扇の要の冷静な目で宇都宮北を破り、8強に進出した。石丸光琉捕手が、吉沢隆太郎投手、中沢匠磨投手、大須賀慎吾投手(いずれも3年)の3投手を好リード。被安打2の無失点に抑え、狙い通りのコールド勝ちに導いた。2安打3打点と打線もけん引。打倒作新学院に向け、突き進む。

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9点リードの7回裏1死二塁。石丸はマウンドの3番手中沢に歩み寄り「リラックス、リラックス」と声を掛けた。この回を無失点で抑えれば、7回コールド勝ち。中沢は相棒のゲキに応え、後続を空振り三振、二ゴロに打ち取った。狙いどおりの7回で勝利。石丸は静かに白星をかみしめた。

たとえ1点を取られても、優位は変わらない。それでもあえて間を取ったのは、目標の打倒・作新学院を果たすためだった。「コールド勝ちして投手力を温存する必要があった。今年のチームは失点してからズルズルと崩れてしまう弱点がある。崩れる前に手を打ちました」。

優勝候補の作新学院と顔を合わせるのは決勝。その舞台に立つには、あと2勝が必要になる。今年は藤田慎二監督(43)が「3人のエース」と称する吉沢隆、中沢、大須賀の働きが鍵になる“投手のチーム”。石丸は「優勝するには投手力が必要不可欠」と、扇の要として先を見据え、冷静に潮目を見極めた。

打席でも狙いは同じだった。「(投手陣の)疲労をためさせないために、1イニングでも短くする意識で打席に立ちました」と、3回にチーム2点目の適時打。6回には7、8得点目となるダメ押しの2点打と3打点を挙げ、バットでも援護した。

この日の気温は33度。灼熱(しゃくねつ)のマウンドをバッテリーで乗り切った。この勢いで08年以来の夏の聖地に乗り込む。【関根直人】

○…先発した左腕吉沢隆が好投を見せた。5回を無安打無失点の9奪三振。それでも2四球を反省し「球のキレも制球もいまいち。(四球は)リリースが早く、球筋を見切られてしまったことに原因があると思うので、次戦では修正したい」と引き締めた。