兄ちゃん、やったぞ! 文星芸大付・下妻聡輔外野手(3年)は「兄が次の試合を見に来るので。良かったです」と人懐っこく笑った。0-0のまま延長に突入。10回表1死満塁で右前に落とす決勝の2点適時打を放つと、ベンチに向かって右腕を突き上げた。

3つ上の兄慎太郎さんも文星芸大付でプレーした。3年前の18年夏、同じ準々決勝、同じ白鴎大足利を相手に2-3で惜敗。現在は栃木を出て、県外の大学で野球を続けているため、ここまで観戦はかなわなかった。「準決勝には行くから、と言われてました。すごくうれしい。(3年前の)兄の分まで勝てて良かったです」と喜んだ。

小さい頃は、それほど兄弟仲は良くなかったという。だが、互いに年を重ね、同じ野球の道を志す。今ではプレーのアドバイスもくれる、頼れる兄だ。その兄が見に来る準決勝は、23日の佐野日大戦。そこも勝って、さらに上へ。兄がかなわなかった甲子園をつかみたい。